智学館中等教育学校 校長 吉武 政治

　 数年前までは、与えられたものを必死に覚え、決められた正解をどれだけ答えられるかで優秀か否かが判断されてきました。今はその役目のほとんどをインターネットが担う時代になっています。そして生成AIは、その莫大な情報を瞬時に分析し組み合わせ、文章や画像、動画までも作成してくれます。しかし、これはあくまでも今まで蓄積されたデータ（間違ったデータも含まれる）から提供することであり、新しいものを作り出しているのとは少し違うということを理解しておく必要があります。

　これからの時代は、多くの情報から自分なりの結論を導き出し、なぜそうなるのかを論理的に説明し、正解のない答えを新たに探し出す能力が求められます。皆さんは、多くの経験や学習をすることで様々な知識を吸収し、応用力を鍛え、色々な考え方やものの見方ができるようになる必要があります。

　そのために智学館では、さまざまな取り組みを行っています。問題発見?解決型の探究学習（PBL)では、論理的思考力や創造的思考力を育てるために、年次ごとのテーマや生徒の興味関心によって課題を決定し、情報収集や整理?分析をおこなうことで自分なりの考えや、新しい発見などを導き出します。その成果を全員が PBL Dayでアウトプットすることにより、知識の定着や、表現力?プレゼン能力も習得されていきます。思春期の成長過程で「考える力」を鍛えることはとても大切なことです。 この時期にしっかりと考えた子どもは、大人になってからも自分の力で考え、自ら信じる道を進むことができると信じています。また、English Dayでは、英語での演劇や討論会?プレゼンテーションなどを行い、使える英語の習得を目指します。イギリスでの海外研修も行っています。

　異年齢の生徒たちが様々な活動を通して、互いに認め合い尊重し、助け合いながら活動することで、「多様性」や「自律?自立」する心を育んでいます。